クンドゥル村「夏フェスタ」に大感激
コロナ禍により長らく途絶えていたクンドゥルとの交流が再会しました。クンドゥル村の「夏フェスタ」に招待されたのです。クンドゥル村は、2019年に団員・家族・後援会員が総力を挙げて山清(サンチョン)群の山の麓に創り上げた素晴らしい芸術村です。今後、劇場も建設されます。
夏フェスタに、サムルノリ教室と和太鼓チーム「レッド」の出演を依頼され、サムルノリ教室10名、レッド9名と、レッドの「生命の歌」を応援する合唱団が集まり、4歳から74歳までの幅広い年齢層の27名で参加しました(宇部3名・宍粟1名・姫路23名)。
初日は大雨で、私たちがクンドゥル村に到着すると総出で傘と横断幕を持ち、歌と満面の笑顔で出迎えてくださいました。村は草花が咲き可憐なオブジェがほほ笑みかけてくれます。宿泊は村のゲストハウスと、足りない分は団員の家を空けて用意してくださいました。各部屋には心づくしの言葉が書かれたウエルカムボードやお菓子を置き、冷蔵庫には飲み物や果物を詰め、生活がしやすいよう日本語の説明も貼ってあり、至れり尽くせりです。
2日目からは快晴。朝、山の澄んだ空気の中、清々しい気持ちで村を散歩すると子犬がやってきます。智異山(チリサン)や周りの山々には雲海がただよいます。朝食後、晋州へ観光に出発。夜に夏フェスタが開幕しました。村の各施設で詩劇・一人芝居・音楽劇などの小さな公演が同時進行で始まり、また子どもたちのための釣りプールまで準備されていました。
そのあと後援会員250名が参加して、野外のマダン劇場で公演が始まりました。まず晋州(チンジュ)と昌原(チャンウォン)のクンドゥルプンムル団の「サムルノリ」、そしてクンドゥルのマダン劇『治癒劇 ノイバラの花』です。山育ちで漁村に嫁いだ主人公のお母さんは夫を亡くし、大変な苦労をして魚を売り5人の子どもを育て、少し疲れが出ています。擬人化されたヒトの5つの臓器(心臓・肝臓・脾臓・肺臓・腎臓)とお母さん、そして子どもたちが語り合います。「少し立ち止まって体と心の声に耳をすませて!」と、400年前に刊行された医学書「東医宝鑑」に書かれた知恵と哲学のお話しです。日本語は入っていませんがあらすじを読んでいたので笑いと涙があふれます。山清郡は昔から薬草がよく育ち伝統医療がさかんな地域で、この地にふさわしい物語でした。
3日目の夜はいよいよ私たちの出演です。レッドには子ども4人も参加します。この日のために7月にクンドゥルのヨンチル先生に来日いただき練習を重ねてきたサムルノリ。今朝の練習からリハーサルと全員の気持ちが一つになってゆき本番。演奏が始まるや観客から大きな拍手と声援をいただき、全員が最高の笑顔で「生命の詩」と「サムルノリ」を演奏しました。
終演後に打ち上げ交流会があり、大勢の若いスタッフの歌と踊り、アンコールの「ランナー」、そしてクンドゥルのアレンジで韓国語の『リメンバー』が歌われました。佐藤しのぶさんが「この歌を全世界で歌ってほしい」と言われていた姿が思い出されました。
参加した一人一人が出会い触れ合うことに感動し、その大切さがわかり、新たなエネルギーが生まれました。この力をさらに大きくして2025年3月のクンドゥル公演を成功させたいと思います。
こけしサークル K・Y
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